「bath side living」という新しいライフスタイルの提案へ。BAINCOUTUREが挑戦する理想のお風呂づくりを表現した、初のBrandBook制作プロジェクトの全容。
BAINCOUTUREでは、お客さまのライフスタイルにあったオーダーメイドのお風呂空間を提供しています。この度、創設以来初めての「Brand Book」を発刊することとなりました。
本記事では、BAINCOUTUREが築き上げてきたブランドの骨格を表す1冊を発刊するための社内横断プロジェクトを中心となって進めた5人のメンバーに、制作過程におけるこだわりや、Brand Bookに込めた「想い」をうかがいました。BAINCOUTUREが提案する「bath side living」を通して、皆様がお風呂空間を考えるきっかけになってもらえたらと考えています。
お風呂から新しいライフスタイルを提案するBrand Bookの誕生
ブランドディレクター 三谷 今回のブランドブックは、ブランドの想いや歴史、そして商品の根底にある価値観を伝えるために企画しました。今まで2回カタログを発刊していますが、最初のカタログから変わらないブランドの核となる部分があって。それを軸に過去のプロジェクトや事例を踏まえ、より深いメッセージを伝えたいという想いがありました。
一般的なカタログだと、このお風呂はどういう部材が使われているなど、スペックの話が中心になりがちです。ですが、BAINCOUTUREはオートクチュール、オーダーメイドで1個1個違うものを作るので、部材にフォーカスするよりは、お客さまがどんな背景でどんな想いを持って、このお風呂を作って、さらにどういう風に過ごしているかということが、イメージできるようなものが欲しいと以前から考えていました。
今までのカタログも全て社内で内製し、デザインやテキスト検討を含め制作していったので、今回も社内の部署横断型のプロジェクトチームでこだわりながら作り込んでいくことで、より精度が高められると思いスタートを切りました。
ブランドディレクター 三谷 そうですね。過去のカタログから今回のブランドブックに至る過程を振り返ってみると、その時代時代で、私たちの役割や求められてることが少しずつ変化してったり、事業自体としても変化していることがメッセージに投影されてると感じます。
過去カタログと新しいブランドブックブランドディレクター 三谷 2015年に発刊した1冊目のカタログの冒頭は、「理想のお風呂とは」という問いかけから始まり、「日常に溶け込む、忘れられない時」というコンセプトからケーススタディが始まります。2022年に2冊目のカタログを発刊した際には、「バスルームは使う空間から過ごす空間へ」というコンセプトを提案したいと考え、「more than bathroom」という言葉が出てきました。
その後、2冊目の発刊から時間がたち、カタログを刷新したいという声が、少し前から出ていたんです。その間に Maison de Baincouture というバスアイテムを取り扱うサブブランドを作るなど、お風呂のある空間や、前後の時間、体験の提案まで事業の領域を広げていく中で、これまでと同じようにカタログとして発信することを根本から捉え直したほうがいいなと。こだわりのものづくりに対するエッセンスはいれつつも、いわゆるお風呂メーカーが作るカタログではなく、ブランドブックという形でBAINCOUTUREが考えるお風呂のあり方を表現したいと考えました。
コミュニケーション戦略室 小林 最初のころはお客さまが思い描いているお風呂を作るというスタンスが大きかったと思います。今はさらに踏み込んで、お客さまがまだ気づいてない潜在的な想いも引き出し、生活シーンを想像できるプランを描いたものになっているかと思います。
ブランドの成長を通して、お客さまに伝えたいことが、どのように変化してきたと感じますか?ブランドマネジメント係 佐藤 1-2冊目のカタログには、豪華な広いお風呂の掲載も多いです。ですが、BAINCOUTUREの一番の提供価値は、ご相談いただいたお客さまそれぞれが大事にしていることをオーダーメイドでかたちにすることです。豪華なお風呂だけにフォーカスして、お風呂の域を出ない提案が並んでいるように見えるよりも、既存のバスルームのイメージに捉われず、家全体の間取りからお風呂での過ごし方を考えられることをもっと伝えられたらと。そうすれば今よりもっとお風呂とその生活の関わり方に踏み込んでいけるようなブランドになれるのではないかと考えています。
ブランドブックより(抜粋)ブランドマネジメント係 佐藤 お風呂の写真のみだと、そこでお湯に浸かってというイメージにしか発展しないんですよね。このブランドブックでは、例えばメディテーションや絵を書く場として使ったり、フィットネスの後に使ったりと、前後の時間や周りの空間の使い方を合わせてこんな過ごし方もあるんだ、というのを想像するきっかけになればと思っています。
社内横断プロジェクトチームそれぞれの「想い」
コミュニケーション戦略室 鶴見 新しい考え方で作っていく時、コミュニケーション戦略室の小林さんにフレームを作っていただき、同じく室石さんにデザインを詰めていただくことで進めていきました。
私はブランドサイトの刷新を担当していたのですが、それぞれの媒体で表現したいことや伝えたいことが微妙に違うなということを感じていたので、ブランドブックはBAINCOUTURE Magazineで考えていることを再編集していく必要があるなと考えました。
具体的には、BAINCOUTURE Magazineで掲載している内容は、本誌内の流れに沿って、読んだ時に感じていただきたい部分を調整しています。また、ケーススタディでは、そこに暮らす方にインタビューをするようなイメージで文章をつくることで、客観的に見た時に、ストーリーや情景が目に浮かびそうかということを大事にしていました。
ブランドブックより(抜粋)コミュニケーション戦略室 小林 ここにいるメンバーの部署は違うけど、BAINCOUTUREのブランドをつくるチームとしてずっと積み上げてきたものが根底にあります。それぞれが普段の業務で担当していることや思っていることを、きちんと汲み取りながら形にしていくことで一緒にブランドをつくっているという感覚です。
コミュニケーション戦略室 鶴見 伝えるツールの形が変わればスタイルも変わってくので、今回のブランドブックをこれからどう使っていって、それを聞いたお客さまがどう感じるのかに作った意味や真価が問われると感じています。
読み手のハードルが下がるようこだわり抜いたブックデザイン
コミュニケーション戦略室 室石 私は、みなさんで話したことをブックデザインとして見える形にすることを担当しました。例えば、最初のケーススタディのページでは、お風呂の製品だけにフォーカスしているカタログのようなイメージはなくし、暮らしのシーンが見えるようなレイアウトにしたり、読み物みたいなページがあったり、全体の世界観を守りながら雑誌のように楽しく読める繋がりやレイアウトを意識しました。
ブランドブックより(抜粋)ブランドディレクター 三谷 掲載する順番も結構議論して。結果的に、さまざまな業界の最先端にいる方々の理想のお風呂をつくってみようというBAINCOUTURE Magazineの連載企画を最初に持ってくることに決めたんですよね。
コミュニケーション戦略室 小林 ただシステムバスの良さを伝えるというより、こんな考えが生まれてもいいんだという柔軟さを読み手に感じて欲しいと思っています。こんなに自由でいいんだっていう。理想のお風呂を自由に想像するハードルをぐんと下げていただき、それをBAINCOUTUREに期待して欲しいと言う気持ちでページネーションしました。また、「お風呂に感性を吹き込む」や「bath side living」という言葉を、冒頭に置くことで、BAINCOUTUREが提案しているコンセプトやライフスタイルを発信していけたらと。
雑誌のような印象を受けるのはそういった考えが根底にあるからなんですね。コミュニケーション戦略室 鶴見 何がかっこよく感じるのか、この雑誌ってなんでこんなかっこいいんだろう、そういったところを色々参考にしつつ、BAINCOUTUREらしいものをと考えていました。
コミュニケーション戦略室 室石 紙媒体で今考えていることを崩さず、より高めるのにどうしたらいいか考え、紙質や余白にも何度も調整を入れました。
コミュニケーション戦略室 小林 実は使う予定の紙を途中で変更していて。発色の再現性がいい紙でありながら空気感を害わない紙を検討していたのですが、印刷してみるとイメージと少し離れていたので選び直したんです。今までのカタログ制作を含めても、紙をやり直ししたのは初めてだったなって(笑)。それくらい今回のブランドブックは読み物としての質感や空気感にこだわって制作しました。
ブランドディレクター 三谷 ツヤツヤしていて真っ白な紙だと、目がチカチカして長く見てられないんです。 やっぱり読み物として読んでもらうためには、ちょっとマットで少し沈む色味にした方が成立するんじゃないかと。
色校正時の様子(BAINCOUTURE)ブランドディレクター 三谷 以前までだと、「オートクチュールのお風呂」「ニッコー オーダーメイドバスルーム」というように、BAINCOUTUREのロゴの上下にブランド説明を補完するタグラインを入れていました。2015年にブランドをつくり、BAINCOUTUREという名前や私たちの想いがある程度浸透したらタイミングで取ろうと言っていて、今がその時じゃないかと。タグラインが入っているとある意味説明的になってしまいます。そうした理屈に頼らずに、ブランドの雰囲気や伝えたいことを表現するものとして今回のブランドブックにたどり着きました。
ロゴデザイン周りの変化お風呂の起点に新しいライフスタイルを提案するBAINCOUTUREのこれから
コミュニケーション戦略室 鶴見 BAINCOUTUREのお客さまはお風呂のある空間を計画する企業さんや、自分でお家を建てられている方などさまざまなんですが、個人のお客さまはハウスメーカーさんを軸にして、 価格や仕様に対して評価をする場面がありました。また、住宅会社からお勧めされた既製品のシステムバスを入れて、後から当社の存在を知り、早く知りたかったという声を多く耳にしていたので、我々自身が自分達の存在を広める努力が必要だとも思っていました。BAINCOUTURE Magazineやinstagramを作り整えたことで、「まずBAINCOUTUREを選びたいんだけど」という指名での相談をいれていただけることを目指して、実際変化も感じています。
ブランドマネジメント係 佐藤
お風呂を作る時にBAINCOUTUREに辿り着いてもらえる確率を増やせている気がします。私たちが発信しているものを見て、いいなと思ったら相談まで辿り着けるような道ができたような。
ただ期待値も上がっているので、そんな発想があるのか、という難しい話をいただくことも増えてきたので、お客さまと一緒にブランドも私たちも成長していかなければと思いますね(笑)。
ブランドブックより(抜粋)
ブランドディレクター 三谷
家の中におけるお風呂の位置付けで言うと、今まではそこまでプライオリティは高くなかったと思うんです。まず日当たりの良い場所は子供部屋やリビングに、そして余剰部分をお風呂や洗面所に、という流れですね。箱としてのシステムバスという量産品ができたことで、 ただ簡単に組み立てられるとか、掃除がしやすく単純に体を綺麗にしたりといった機能ばかりが追求されていき日本の伝統のお風呂文化の良い要素が消えていってしまった側面もあると思うんです。
家族とのコミュニケーションが自分自身の心や身体との対話の機会を増やすことに繋がったり、温浴効果とスムーズな睡眠導入が健康寿命を延ばすことに繋がったり、相乗的なリフレッシュ効果で日常生活での生産性向上に繋がったり…。そんなお風呂まわりで過ごす時間の中にあった良い要素を再解釈しさらに新しく発見していくことが、BAINCOUTUREが考える「お風呂に感性を吹き込む」ことであり、人生をもっと豊かにすることに繋がると思っています。
また、これからはお風呂単体で見るのではなく「bath side living」という考え方を取り入れた間取りを提案していきたいんです。時代の変化、社会や家族の変化と共に、暮らし方のスタンダードもどんどん変わっていきます。そのような環境の中で、BAINCOUTUREは、お風呂を起点に新しいライフスタイルを提案していけるブランドでありたい。完成系かわからない中で模索してる最中なので、引き続き、 BAINCOUTURE Magazineのような場を通して、いろいろな人とお話しする中で、こういうのがいいよね、ということを見つけ発信していけたらいいなと思います。
ブランドディレクター 三谷
さまざまなメディアでのお風呂特集をもっと深堀りできるんじゃないかなと思っています。「bath side living特集」みたいな感じで描き方が変わってくると、それを読んだ皆さんが自分ごととして生活とお風呂の関係を見つめ直して、それぞれにとっての理想のお風呂づくりに興味を持ってもらえるといいなと。
ブランドブックより(抜粋)さいごに
今回は、ブランドブックの発刊を通して、BAINCOUTUREのこれまでとこれからを引き出しました。単なる機能的な空間ではなく、生活の一部として感性を吹き込むことで可能性が広がる「bath side living」。暮らしの中でどのように過ごし、どのような体験を提供できるかを探求するブランドの挑戦が、今回のブランドブックに集約されています。ぜひ、お手にとってご覧ください。
Text:Yuki Kanaitsuka / Yuka Kimura
Photo:Yuki Nobuhara(一部)
Release:2024.12.04

