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【後編】季節に合わせたスタイリングもできる、オアシスのようなお風呂|インテリアスタイリスト・岩佐知布由 BAINCOUTUREと考える理想のバスルーム vol.06

BAINCOUTUREでは、お客さまそれぞれのライフスタイルにあったオーダーメイドのお風呂空間を提供しています。この連載は、そんなBAINCOUTUREの制作チームによって、さまざまな業界の最先端にいる方々の理想のお風呂をつくってみようという企画です。

今回ご登場いただくのは、インテリアスタイリストの岩佐知布由さん。後半では、前半の記事で伺ったこれまでのお風呂にまつわるエピソードの続きとして、岩佐さんにヒアリングを行いながら、具体的な理想のお風呂のアイデアをCGパースとして表現してみました。

岩佐知布由

1985年茨城県生まれ。専門学校でインテリアデザインを学び、会社員やアパレル販売等を経て、スタイリスト石井佳苗氏に師事後、独立。空間や物と暮らしにまつわるスタイリングをおこなう。

Instagram: @chifuyuiwasa ↗︎  HP: CHIFUYU IWASA ↗︎

【前編】インテリアスタイリストが見た、土地に紐づくお風呂体験の面白さ|インテリアスタイリスト・岩佐知布由 へ

岩佐さんと一緒に考える、理想のお風呂

後半では、理想のお風呂について一緒に考えてみたいのですが、お話を伺ってみてお風呂の空間自体よりも、体験そのものを大切にされているという印象を受けました。まずはシンプルにこんなお風呂がいいなというアイデアはありますか?

岩佐さん 都会で働くなかで、日常の延長にありそうな理想のお風呂体験を考えていたんですが、室内に緑豊かな温室があるようなお風呂がいいなと思いました。温泉や銭湯では景色が眺められて視界が開けているような体験が好きですが、自分の家で考えると、むしろ囲われた箱のなかで自然を感じられたり、安心感があるようなお風呂がいいなと。

どうしてもお風呂だけを考えるというよりも、BAINCOUTUREのショールームにもあったように、お風呂の横にキッチンがあったりジムがあったりと、理想的な空間全体を考えてしまいます。今は賃貸に住んでいますが、いつか中庭のある家に住みたくて。囲われた自然としての中庭に憧れがあるんです。その中庭のすぐ隣にお風呂があって、ゆったり浸かるだけの時間を作りたくなるような空間になったらいいなと。建築家のリナ・ボ・バルディが建てた「ガラスの家」(※ ブラジル人建築家リナ・ボ・バルディが1951年に完成させたブラジルの自邸)のようなムードで、温室には樹木があってどこか熱帯やアマゾンのエキゾチックな雰囲気が感じられるようなお風呂にできないでしょうか。

お風呂の隣に温室があって、そこから中庭に出られるような構造はすごくよさそうですね。温室の方も防水パン構造(※ システムバス構造の特徴の一つで、浴室内の水が外に漏れないように作られた樹脂製のパンで構成されたもの)にすれば、水やりも自由にできそうですし、天井からも植物が吊れるような構造にしてもよさそうです。

とってもいいですね。お風呂自体は大きくなくてもよいので、温室を広くした方が植物にとっても心地がよさそうです。熱帯系の植物ならむしろ湿気も相まって育ちやすいような気もします(笑)。温室の天井に窓があれば外に出なくても浴槽に浸かりながら上を見上げるだけで空が見えて、タイミングがよければ満月が見られたり。それだけで豊かな時間になると思います。

想像するだけで心地のいい空間になりそうですね。スタイリングという観点で、置きたい家具などはありますか?

この空間だったら、アカプルコチェア(※メキシコのリゾート地で60年代から愛用されていたアウトドアチェアをベースにMETROCSがリデザインしたラウンジチェア)が似合いそうだと思います。温室の緑にも合うだろうし、バスタオルを敷いてお風呂上がりにそのままくつろぐこともできそう。細かいディテールで言えば、銭湯にある冷水枕をつけたいのと(笑)、雑誌や飲み物が置けるくらいの小さなスペースが浴槽の片方にあると理想的かもしれません。

Maison de Baincouture / オリジナルエッセンシャルオイルの香りを試す岩佐さん

それから、香りも重要だと思います。つい最近尾道にある 「LOG」 というホテルに泊まったのですが、お部屋に入った瞬間の香りがとてもよくて。私は大地の匂いが好きなので、土や植物自体の香りに加えて、そういった香りを空間に取り入れられたらいいなと思います。

お風呂全体の素材や色についてはいかがですか?

まず浴槽はすべすべしているのが好きなのと、サイズを自由に選びたいので、ステンレスがいいと思います。色味はグレーなんかも植物との相性がよさそうな気がします。壁は基本的には浴槽と同じ落ち着いた色味のものがいいのですが、一部にアクセントカラーでタイルを取り入れてもよさそうだなと思います。それも均一なものではなくて、焼きムラがあったり、モザイクタイルだったり、揺らぎを感じられるような素材。植物が引き立つようなブルー系がいいかもしれません。あとは温室側にカーテンをつけることで、季節によってカーテンの色を変えたり、温室そのものの家具や植物の配置を変えることで、スタイリングも楽しめそうですね。

岩佐さんへのヒアリングからBAINCOUTUREがCGパースを制作

今回制作したCGパースのテーマは「季節に合わせたスタイリングができるお風呂」。お風呂に入る部分は篭れつつも、同じ空間が温室として使える、オアシスのような空間を検討しました。ここでは、制作にあたって考えた3つのポイントをご紹介します。

①つながりが保たれ、気持ちよく共生できる空間

グリーンを大胆に取り入れつつ、自分と植物の環境を同時に整えられる空間を目指しました。具体的には、右側に天窓と大きな窓を配置することで、植物が太陽光を取り入れられる十分な採光環境を整えています。また、大きな窓があるため、風通しも調整可能で、バスルームの湿度や植物の健康状態をうまくコントロールすることができます。一方で、隣合うバスルームの方にも日差しが適度に入るので、お風呂に入る人の心地良さも叶えられる空間に。

浴槽は当初ご希望いただいたステンレスから石貼りへ。ステンレスはスタイリッシュな反面、どうしても浴槽内側にフランジ(※部材の取り合いから生まれる段差)ができてしまいます。今回のお風呂では空間のつながりを大事にしたかったので、物を置くデッキが浴槽全体と一体化している、そんな細部にも注目して設計しています。

元気のない鉢は外に出したり、夜は星空の下で昼寝をしてみたり、土いじり水やりをして汗をかいたり、汚れてしまったらシャワーを浴びたりと、植物をより身近に感じながら暮らしを楽しむことができます。

②きちんとこもって過ごせるためのガラスの間仕切り

ヒアリング時イメージスケッチ(BAINCOUTURE)

ヒアリング時イメージスケッチ(BAINCOUTURE)

ヒアリング時イメージスケッチ(BAINCOUTURE)

バスルームと温室の間にガラスの仕切りをつくることで、お風呂時間をきちんと確立し、浴室にこもることができるようにメリハリのある落ち着いた環境を目指しました。BAINCOUTUREのお風呂であれば空間を一体的に捉える提案も可能ですが、今回のお風呂はサイズをコンパクトにして、一人でこもってのんびりすることができるように。外につながる窓の形状を変えれば、空間の印象・開放感を大きく変えることもできるので、住まう人の好みによって印象を大きく変えることも可能です。

③スタイリングの土台となるシンプルな空間設計

今回の空間は、グリーンが映える少しグレーの入った白色のタイルとしています。そこに、タイルやアカプルコチェアをポイントとして締まりのある空間に。CGパースでは空間と同じトーンのマットを置いていますが、ビビットカラーを取り入れるなどポイントを絞って、スタイリングのストーリーをつくっていくことができる土台となる空間を目指しました。もちろん、暗い色だけでも落ち着いた印象を演出できるように、どんなものを置いても楽しめる空間に仕上がりました。

岩佐さんからのコメント
明るく開放感がありながらも、適度に囲われて安心感もあり、とても居心地の良いお風呂ですね。採光と風通しが考慮されていて、人にも植物にも優しい設計に感動しました。シンプルな空間にしていただいているので、インテリアも色々なスタイリングが楽しめます。休日にこの空間でお風呂→水シャワー→休憩→お風呂…とエンドレスにリラックス時間を過ごせそうです。

さいごに

さまざまな業界の最先端にいる方々と、理想のお風呂をつくってみようという企画の第6弾として、岩佐さんとともに、グリーンをふんだんに取り入れつつ、素材やカラーでスタイリングの自由度が残された、インテリアスタイリストらしいお風呂空間を考えてみました。これからも様々な視点から理想のお風呂を考えていきます。ご期待ください。

Text :Takahiro Sumita
Photo:Yuki Nobuhara

Release:2024.9.30

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