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【後編】3つの浴室で作る「お風呂のために帰りたくなる家」|グラッシーズ代表・芝幸太郎 BAINCOUTUREと考える理想のバスルーム vol.09

BAINCOUTUREでは、お客さまそれぞれのライフスタイルにあったオーダーメイドのお風呂空間を提供しています。この連載は、そんなBAINCOUTUREの制作チームによって、さまざまな業界の最先端にいる方々の理想のお風呂をつくってみようという企画です。

今回ご登場いただくのは、株式会社グラッシーズ代表の芝幸太郎さん。後編では、前編で伺った日本文化への想いやお風呂へのこだわり体験を踏まえて、芝さんにヒアリングを行いながら、具体的な理想のお風呂のアイデアをCGパースとして表現してみました。

芝幸太郎

株式会社グラッシーズ代表取締役社長。高知県四万十町出身。2023年12月、南青山・骨董通りに日本文化の新しい拠点を目指す「松葉屋茶寮・方舟GALLERY」を開業。盆栽の精緻な美しさと茶・菓子のひとときを楽しむ空間を通じて、日本文化の「不易流行」を実践している。

instagram: @k_tr48 ↗︎  HP: 松葉屋茶寮 ↗︎

【前編】五感を研ぎ澄まし、「気づき」をもたらす松葉屋茶寮とお風呂の共通点| グラッシーズ代表・芝幸太郎  へ

芝さんと一緒に考える、理想のお風呂

後編では、理想のお風呂について一緒に考えてみたいと思います。芝さんが思い描く、理想のお風呂のイメージを教えてください。

芝さん 五感が調和して、思考がほどけるような場所」でしょうか。香り、光、音などがちょうどいい状態になる場所。どちらかというと、「入りたい」というよりも「帰りたくなる」ようなお風呂があると最高ですね。

実は、理想のお風呂って1つじゃないんです。できれば3つぐらい欲しいんですよ。3パターンくらいあったら、状況に合わせて入るお風呂を変えられる。今日は雨が降ってるから雨の音を聞きながら外を見て入りたいとか、桜を見ながら入りたいとか、新緑を見ながら入りたいという時もあれば、もう何もいらないから無の境地で完全に身を委ねるみたいなお風呂も欲しいですね。

具体的にはどのような3つのお風呂を想像されていますか?

まず1つ目は、私の習慣になっている朝用のシャワー空間です。1日の始まりと終わりにすぐ入れるように、本当は玄関入ってすぐの場所にシャワー室を作りたいぐらいなんです。雨の中や滝の中にいるような、天井全体からシャワーが降ってくる空間だと理想ですね。5分くらい水の音に耳を澄まして、自分を覚醒させるための空間です。

2つ目は、完全に「和」に振り切った岩風呂が良いですね。2、3人が入れるくらいの大きさで、できれば窓の外に庭があって、四季を感じられるお風呂です。日本庭園の中に入浴しているような感覚になったら良いなと思います。

3つ目は、どちらかというと「洋」な雰囲気の、完全にリラックスできる寝湯タイプのお風呂。ファーストクラスのシートのようにベッド型のお風呂で、楽な姿勢で体すべてがお湯に包まれるような入り方をしたいです。

3つのお風呂、それぞれ個性的で素敵です。各浴室の内装や装飾のイメージはありますか?

シャワー室と岩風呂は、とにかくシンプルにしたいですね。基本的に余計なものは置きたくないので、シャンプー、トリートメント、洗顔以外は置かないくらいのつもりです。だから内装もシンプルだと嬉しいですね。

寝湯タイプのお風呂は少し遊び心を入れて、壁一面に花の装飾をしてみたいです。フラワーアーティストの友人がいるのですが、彼らがやっているような仕掛けを使うことを想定しています。湿度や温度を調整しながら、お風呂なのに綺麗に花が生きるような壁をイメージしています。

そうした理想のお風呂があることによって、普段の生活はどう変わりそうですか?

家に帰るのが楽しくなりそうです。今でも冬場は家に帰って早くお風呂に入りたいと思うんですが、その気持ちがもっと強くなると思います。「家に帰る」というか、「お風呂に入りに帰る」という感覚になりそう。

朝は気持ちよくスイッチが入って、一日の準備ができる。夜はMaison de Baincoutureの 和蝋燭に火を灯して、自分と向き合う時間を作る。本当に疲れた時は、寝湯でただただ身を委ねる。そういう風に、その日の気分や体調、季節に合わせて使い分けられるのが理想ですね。

お風呂って、オンとオフを切り替える場所なので、その時の状況に合わせて変えられる選択肢があるというのは、すごく贅沢なことだと思います。自炊しない人なら尚更、オーバースペックなキッチンにお金をかけるよりも、毎日必ず使うお風呂に予算を回した方が、生活の質は確実に上がりますよね。

Maison de Baincoutureの和蝋燭に火を灯す様子

芝さんへのヒアリングからBAINCOUTUREがCGパースを制作

今回は、芝さんのお話をもとに、「お風呂のために帰りたくなるような家」を目指して3つの浴室のパースを制作しました。朝起きてすぐから、寝る前まで、1日に何度もお風呂に入る習慣があるという芝さん。せっかくなら、温泉旅館やスパのように、用途や気分に合わせてお風呂を使い分けできれば、より充実したバスタイムを過ごせるはずです。

BAINCOUTUREでは、単なる機能的な空間としての浴室ではなく、入浴前後の時間と空間を含めた新たな過ごし方を創る「bath side living」の考え方を提唱してきました。今回のお風呂は、まるで家全体が「bath side living」となるような、新しいバスルーム、あるいは家の在り方です。それぞれの浴室についてご紹介します。

①“スイッチを切り替える”玄関横のシャワー導線

まるで雨や滝に打たれるように、天井全体から水が降ってくるシャワー室です。床や壁には水の音が反響する素材を使用。雨や滝のような音に耳を澄まし、目を覚ましたり瞑想したりして、気持ちを切り替えるのにぴったりの空間です。

玄関のすぐ横にシャワー室を配置することで、外出前や帰宅直後にそのまま立ち寄れる動線を確保しました。通常の玄関動線とは別に、「シャワー室を通って出入りする」もうひとつのルートを持たせることで、外と内のスイッチを切り替え、生活リズムを整える場所となります。

②四季の移ろいを楽しむ“日本庭園の中に入るような” 浴室

大きな窓から、庭の景色を楽しむことのできる浴室です。内風呂でありながら、日本庭園の中にいるかのように感じられる開放的な空間。深めの岩風呂にゆっくりと浸かって、窓外の植栽や庭石を眺められます。

浴室内は、シンプルな内装に控えめな照明で、陰影が際立つミニマルな空間を演出しました。その分、窓外の自然に集中して、五感で四季を感じながら、リラックスタイムを過ごせます。

③アートを楽しむための花に包まれる寝湯

ゆったりと寝ながら浸かれるような大きめな浴槽を備えたこの浴室はアートを楽しむための1部屋です。壁一面にアートを飾るスペースを設け、見ているだけで感性が刺激されるような空間に。定期的にアートを入れ替えられる作りとすることで、絵画だけではなく植物など、生命が宿る存在感あるアートも展示可能です。お風呂の中にアートを飾るのではなく、アート空間の中にお風呂があるという発想の転換が、この浴室のユニークさを際立たせています。

バスタイムは、1日の中でも数少ない「ぼーっとできる」時間です。そんな時間に、頭を空っぽにしてアートを見つめてみるのはいかがでしょうか。

芝さんからのコメント

お風呂を日々”スイッチの場”として捉えている私にとって、理想のお風呂を考えることは「理想の切り替え」を考えることだということに気付きました。どんな時に気持ちを切り替えて、どんな風に五感を研ぎ澄まして物事に取り組むのか、改めて自己理解と、空間を考える上で何を大切にしているのかを再確認することができました。

さいごに

さまざまな業界の最先端にいる方々と、理想のお風呂をつくってみようという企画の第9弾として、芝さんとともにお風呂空間を考えてみました。これからも様々な視点から理想のお風呂を考えていきます。ご期待ください。

Text :Natsu Shirotori

Photo:Ryo Kawano

Release:2025.10.08

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