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【後編】サウンドデザイナー Shimon Hoshinoによる「bath side living」を表現するアルバム制作秘話

BAINCOUTUREでは、お客さまそれぞれのライフスタイルにあったオーダーメイドのお風呂空間を提供しています。

実は今回、BAINCOUTUREが掲げている「bath side living」というコンセプトから着想を得て、音楽アルバムを制作いただくことになりました。依頼したのは、作曲家やサウンドデザイナー、調香師、サーファーなど多才な顔を持つShimon Hoshinoさん。

彼が主催する音と香りのデザインをテーマにしたソロプロジェクトinvisible designとのコラボレーションとしてリリースされた同アルバム。お風呂時間やサウンドデザインの可能性などについて伺った前編に続いて、この記事では実際に制作いただいた楽曲について、解説をしていただきます。

Shimon Hoshino

12歳から親元を離れフランス、高校からアメリカへ渡り帰国。
慶應義塾大学を卒業後、サウンドデザイナー、調香師として2016年から活動開始。
楽曲プロデュースをはじめファッションショー、商業施設やホテルのサウンド及びフレグランスデザインを行う。自身でアーティスト活動を行うほか、サウンドデザインチームSound Coutureのメンバーでもある。2021年にFenderによる国際グランプリPlayer Plus Studio Sessionsにおいてグランプリを獲得。2024年8月にはバンコクのライブハウス「LIDO CONNECT」にて開催された日本とタイと台湾の音楽シーンを繋げる新イベント『IN-CON EP.1』に出演するなど活動を世界に広げている。

【前編】サウンドデザイナー Shimon Hoshinoが語る、お風呂体験と音楽の可能性

「bath side living」を表現するアルバムについて

まず、BAINCOUTUREを訪れて、どんなことを感じましたか?

Shimonさん もともとBAINCOUTUREでも扱っているJAXSONの浴槽を自宅で使っていたこともあって、水が出入りする感じとか、流れについては感覚的にわかっていました。それで、最初は事前に作ったものを持ってきて聞いてもらった方がいいかなとも思ったのですが、やっぱり現場で作ろうと、サンプリングを行ってその場でまず1曲目を作りました。

SNSやウェブサイトからもBAINCOUTUREに対して男性的なイメージを感じていたんですが、実際にショールームを訪れて、もっとユニセックスな感じというか、スマートフォンで見ているとわからない柔らかい家族の印象を感じました。それで、訪れるまではCマイナーを基調にしようと思っていましたが、明るい印象のEbメジャーとマイナーが螺旋のように巻き合っていくコード展開に発展させようとその場で決めました。

実際にショールームで曲を流して確かめるShimonさん
「bath side living」というBAINCOUTUREが提唱しているコンセプトから生まれたアルバムですが、全体を通してどんな流れになりましたか。

お風呂に入る前と、お風呂に入っている時、それからお風呂から出たあと。そのすべての感覚が違うと思っています。やっぱりたくさんの情報量を洗い流したくて、リラックスするためにお風呂に入るわけなので、仕事モードから段々とBPMを落としていく必要がある。

反対に、お風呂から出るときには落としたBPMをちょっと上げて、いつもリズム感に戻していくことで心地よいお風呂体験になると考えて、全体を構成しています。そこに、先ほど話したようなメジャーコードとマイナーコードを掛け合わせることで、より心地のいい体験が生まれるように、アルバム全体の流れをデザインしてみました。

アルバムの構成や楽曲について

今回は合計で7曲の構成になっています。楽曲の具体的な作り方やこだわりについても教えていただけますか。

家に帰ってきてお風呂に入る前から、お風呂への導線、お風呂を出てからリビングに戻るまでの全ての文脈に沿ったサウンドデザインをやろうと思うと、逆算して7曲がハマると思いました。実際にお風呂に入るシーンを想像すると、朝・昼・晩といろんな時間帯があるし、忙しい方でお風呂時間を長くとれない方もいらっしゃるだろうということで、最後でムードを落としすぎないよう少しアップテンポのまま終わるような流れを意識しました。もちろん、リピートして聞いても全く違和感がない構成になっています。それから、メロディが立ちすぎないように、香りで言うと「ジャスミンが入ってるよね」みたいなことが目立たないように、複数のメロディが絡み合うような音を意識的に取り入れています。

実はデモ音源からリリースされたバージョンでは大きく変わっているところがあって、当初は「bath side living」というコンセプトを全面に打ち出すものを想定していましたが、話をするなかでBAINCOUTUREのサウンドロゴがもっと目立つような、ブランドを象徴する音楽になるように調整しました。それによって、コード的にもわかりやすいPOPな流れというよりはメジャーコードとマイナーコードが混ざり合って、たまに不協和音さえあるような楽曲が生まれました。そもそも、環境音だって心地の良い不協和音ですしね。

最後のマスタリングの作業においても、お風呂の面積や天井の高さを想定して、音の広がりを調整しています。実際に音が反響しやすいスタジオを借りて、リバーブやディレイを調整して、水滴や桶の音とみ合っても違和感のない音を意識しています。特にお風呂では低音が強すぎると音がモヤモヤしてしまうので、そういった調整にはかなり気を遣いました。

7曲のタイトルについても、実際の「bath side living」のシーンを想像できる言葉が選ばれています。

はじめは僕の方で7曲分のタイトルをつけていたのですが、(BAINCOUTUREの)三谷さんにすべてタイトルを付け直していただいたんです。「bath side living」を体感している人の心の動きを音楽を通じて追体験できるような、そんなイメージでタイトルをつけてくださいました。それぞれのシーンに合うビジュアルも選定いただき、より音楽のイメージが多角的に表現されたと思います。

そして、そのなかから代表曲を選んでいただいたのですが、4番目の「meditate in the bath」になりました。実は僕もこれが一番最初に構想があったもので、イメージにもピッタリでした。タイトルにもある「meditate」という言葉を僕もキーワードとして挙げていたので、イメージした通りの感覚が伝わってよかったと思います。でも、この曲が一番苦戦しました。考えすぎて、一旦時間をおいてお風呂に入ってリセットしたくらい(笑)。まさにお風呂を通じてフラットな気持ちでゼロに戻れるような楽曲をイメージしていて、BAINCOTUREらしさを体現する曲になったんじゃないかなと思っています。

Shimonさんのアルバム制作時メモ

さいごに

BAINCOUTUREのために特別に制作いただいた音楽アルバム「bath side living」は、以下のアルバムリンクからご視聴いただくことが可能です。ぜひ、お風呂とともに、楽しんでいただけると幸いです。

bath side living

invisible design by Shimon Hoshino

1. after coming home
2. toward the bath
3. into the shower
4. meditate in the bath
5. body and mind care
6. cool down
7. me-time before midnight

アルバムを聴くにはこちらから ↗︎

Text :Takahiro Sumita
Photo:Yuki Nobuhara

Release:2024.12.02

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